茨木のり子 「六月」
また今年も茨木のり子の「六月」という詩を紹介します。
梅雨時での紹介で,さわやかさを運んでくれる素敵な詩ですが,
今年は特にコロナ禍のうっとうしさも追い払ってくれるかもしれません。
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六月 茨木のり子
どこかに美しい村はないか
一日の仕事の終りには一杯の黒麦酒
鍬を立てかけ 籠を置き
男も女も大きなジョッキをかたむける
どこかに美しい街はないか
食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き すみれいろした夕暮は
若者のやさしいさざめきで満ち満ちる
どこかに美しい人と人との力はないか
同じ時代をともに生きる
したしさとおかしさとそうして怒りが
鋭い力となって たちあらわれる
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