〈方位の考古学〉の活用例(9)~茨城県・平沢官衙の場合
茨城県の平沢官衙(つくば市)を紹介しよう。
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〈方位の考古学〉の主張である,東偏 ⇒ 正方位 ⇒ 西偏 ⇒ 東偏の変化が,
遺構の変遷に見事に残されている。
ただし,関東地方の遺跡なので,100年遡らせる必要がある。
8世紀前半 ⇒ 7世紀前半のようにである。
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平沢官衙 (川瀬さんの分析)
遺構図を確認しながら建物データをみると、それぞれの時期が分ります。
東偏:8世紀前半 Ⅱ期 SB15など。
正方位:8世紀後半 Ⅲ期Ⅳ期 SB11など。
西偏:9世紀から10世紀 Ⅳ期 SB35など。
東偏:11世紀 Ⅴ期 SB01など。
時代の変化がよくわかる遺構です。
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官衙遺跡は,役所なので,もっとも国家のコントロール(方位の指示)が現れます。
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