神武記の最後の方に(3)
神武記の最後の方にこだわってきたが,
ここで系図を見ておこうと思う。
・神八井耳命 ⇒ 九州王朝系の王族と豪族たち
となっているかということだ。
確かに,この系図を信用する限り,神八井耳命からつながる
九州王朝系の王族や豪族たちの繁栄は見事なものだ。
それに対して,近畿王朝につながる系図は・・・
・神沼河耳命 ⇒ 近畿王朝にかろうじてつながっている印象だ。
前回の(2)では,日本列島の大部分を彼らが占めている図をご覧に入れた。
(それに対して,近畿王朝の支配地は,奈良県+大阪府くらいだ)
では,なぜ九州王朝の王族や豪族の悪口を『古事記』は言ったのか?
それは,「実はあの時,勇敢に行動したのが私たちの先祖(神沼河耳命)であり,
本来日本列島を支配すべきなのは,私たちなのである」と言いたかったらだと思う。
(もしかしたら『古事記』は,唐に対して見せるための記録だったのかもしれない)
そして,九州王朝は白村江の戦いをきっかけに滅亡し,
かえって『古事記』の九州王朝に対する悪口を残しておくことがまずくなって,
九州王朝の史書を取り入れて作り直した『日本書紀』では削除した。
ところが鎌倉時代に『古事記』が発見され,事実が白日の下にさらされてしまった。
歴史というものは,皮肉なものである。
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肥沼さんへ
この系図の出典は? 何に基づいて作ったもの?
九州王朝の王族の本来の系譜は、「天火明命」の系統のはずだ。古事記の氏族系列は近畿天皇家そのものが全国の氏族の元締との観点からの作為されたもの。
これに基づいて古代氏族系図を作っても意味がない。
信頼できる古代氏族系図は存在しない。
ふつうは新選姓氏録の記事をもとに考察する。
投稿: 川瀬 | 2020年4月 6日 (月) 18:07
川瀬さんへ
コメントありがとうございます。
〉 信頼できる古代氏族系図は存在しない。
やはりそうなんですか。
母が騙されて作った「肥沼氏系図も,
相当あやしい」怪しいと思いましたが・・・。
投稿: 肥さん | 2020年4月 7日 (火) 05:20