« 『歴代紀元編』という年号本 | トップページ | 睡眠中の靴下や湯たんぽはNG »

2018年12月 5日 (水)

二か所の「鐘有」(あじすきさんのコメントから)

昨日『歴代紀元編』をアップしたところ,
すかさずあじすきさんからコメントが入った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「この本は出色の書ですね。後世の編集とはいえ。
常邕と太和の注に「鐘有」とありますね。同年号の銘文がある鐘があったのでしょうか。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このコメントも出色ですよ!(o^-^o)

〇 常邕(色)・・・九州年号では647年~651年らしいのだが,白雉の前だ。

〇 太和・・・九州年号にも近畿年号にもない!?ウィキには「唐の年号大和の誤記。文献上で多く見られる」と。

また,気が付いたのだが,鐘の記事の後「此無大化」とある。
常色が5年間続いているのだから,大化(6年間と考えられる)の入る位置がないのだ。
つまり大化年号(645年~)はここではないよ=別の場所だよ,という意味ではないか?
(九州年号では,7世紀末になる)

もう一つ「鐘有此二號(号)」は,2つになった,ということだとすると,
観世音寺の鐘と妙心寺の鐘の2つのことか?な~んて,興味津々ですね。

もし太和年号が,大宝の直前ならば,698年に鋳造したという妙心寺の鐘の銘と時期はピッタリです。
ただし,太和はない?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ウィキペディア「観世音寺」

梵鐘(工芸品)
奈良時代。京都・妙心寺鐘、奈良・当麻寺鐘等とならぶ日本最古の梵鐘の一つと考えられている。本鐘の正確な鋳造年次は不明であるが、戊戌年(西暦698年)の銘を有する妙心寺鐘と同じ木型を用いて鋳型を造った兄弟鐘と推定されている。妙心寺鐘と観世音寺鐘とは、龍頭(最上部のフック部分)や、上帯・下帯(じょうたい・かたい)の唐草文のデザインが異なるが、鐘身全体の寸法・形状などは細部まで一致している。観世音寺鐘には銘文はないが、笠形の上面に「天満」、口縁部の下面に「上三毛」などの文字が陰刻されている。鐘は現在も鐘楼に懸けられている[13]。明治37年2月18日、当時の古社寺保存法に基づき旧国宝(現行法の重要文化財に相当)に指定、昭和28年11月14日、文化財保護法に基づき国宝に指定[14]。

Photo

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

上三毛は,豊前国にありました!

http://shosoin.kunaicho.go.jp/ja-JP/Treasure?id=0000011101


« 『歴代紀元編』という年号本 | トップページ | 睡眠中の靴下や湯たんぽはNG »

古田史学」カテゴリの記事

コメント

>「鐘有此二號(号)」は,2つになった,ということだとすると,

 違います。「この二号(二つの年号、朱鳥と太和)の鐘がある」です。
 ちなみに常邕の注「鐘有此無大化類聚又作唐邑」の意味は、
 「この号の鐘有。大化は類聚に無く、また類聚では常邕を唐邑に作る」です。

川瀬さんへ
コメントありがとうございます。

〉  ちなみに常邕の注「鐘有此無大化類聚又作唐邑」の意味は、
 「この号の鐘有。大化は類聚に無く、また類聚では常邕を唐邑に作る」です。

それは「読み下し文」なので,「現代語訳」でお願いします。

太和という年号はあるのですか?

肥沼さんへ
 
 「鐘有此無大化類聚又作唐邑」。この読みは二通り考えられます。
1:読み下し  
    「この号の鐘有。大化は類聚に無く、また類聚では常邕を唐邑に作る」
 この年号(常邕)の鐘がある。大化の年号は類聚(類例を集めた書籍)に無く、また類聚では常邕を唐色と書いている。
 この読みは、「鐘有此。無大化類聚、又作唐邑。」と句読点を打ってみる読みです。
2:読み下し
   「鐘、この号(常邕の)有るも大化はなし。類聚ではまた(常邕を)唐邑に作る」
 この年号(常邕)の鐘はあるが大化の年号の鐘はない。類聚(類例を集めた書籍)ではまた常邕を唐色と書いている。
 この読みは、「鐘有此、無大化。類聚又作唐邑。」と句読点を打った読み方です。

 どちらかでしょうね。文法的には1のほうが良いと思います。2だと一文に動詞が二つ入ってしまうので。しかし1だと、類聚を二つの文に使うことになる。
 どっちが良いか? 
 2にしましょう。
 「鐘有此無大化」の間に読点をいれることで二つの文になるので、一文に動詞が二つ入るという問題点が解決され、類聚を二つの文で使う問題点も解決されるので。

>太和という年号はあるのですか?
 さあ知りません。
 この資料では、「朱鳥 太和」とだけ書いて、それぞれの年号が何年続いたかを記していないので、「二つの年号の鐘は存在しているが、それぞれ何年続いたかは不明」という認識ではないでしょうか。

川瀬さんへ
コメントありがとうございます。

九州年号で太和というのは,初めて聞いたので,興味を持ちました。

「鐘有此無大化類聚又作唐邑」

これは

「鐘、有此。無大化。」
「類聚、又作唐邑。」

じゃないですか?
「此」は常邕のことでしょうから、「鐘に常邕があり。(だけど)大化は無し」

そしていったんここで切り、新たに常邕について
「類聚ではこの年号を唐邑としている」
と。
つまり別々のところから「常邕」に関連する記事を2つ引っ張ってきて並べて記載した、と。

鐘の記事について、わざわざ大化について「無し」と述べているのなら、ひょっとしたら「白雉」はあったんじゃないか? と期待したくなります(笑)
もちろん白雉については何も書かれていないわけですから、勝手に「有った」と解釈するわけにはいきません。
しかしそれなら「大化」についても言えるわけで、いわば三つの年号をここに記載しておきながら、大化には「無し」としているのは何か作者に意図があったと思うのです。

この文章を書いた作者は、大化年号について、「なんか変だな」という思いを抱きつつここに大化記事を入れたんじゃないかな、と私は想像しますが、いかがでしょうか。

ツォータン(佐藤浩史)さんへ
コメントありがとうございます。

〉 「鐘有此無大化類聚又作唐邑」
これは
「鐘、有此。無大化。」
「類聚、又作唐邑。」
じゃないですか?

そもそもこの注の意義がよくわからないんです。
鐘というと,観世音寺と妙心寺のことを思い出すわけですが・・・。

〉 この文章を書いた作者は、大化年号について、「なんか変だな」という思いを抱きつつ
ここに大化記事を入れたんじゃないかな、と私は想像しますが、いかがでしょうか。

私もそんな気がします。それと,「迷子の迷子の太和年号」です。

肥沼さんへ

 この本には、どのような史料に基づいて日本の年号について記述したのかということは書いてないのですか。それがあればいろいろわかると思います。
 そうか。台湾の出版物だから書いてあっても漢文だから読めないね。
 この本の典拠が分らない以上、この記述についてあれこれ想像しても仕方がないと思います。時間の無駄。

 鐘について検索してみました。常邕の鐘、朱鳥の鐘はありませんが、太和の鐘はありました。ただし朝鮮の鐘で記された「太和」は唐の年号「大和」の誤りとされているようです。古代朝鮮の新羅には「太和」の年号があることは知られており、「海東諸国記」にも「大和」の年号があることもしられています。
 関係のサイトは、
 http://info.pref.fukui.jp/bunka/bunkazai/sitei/kougei/jogujinja-chosensho.html
 

追伸
 「歴代紀元編」の日本の項の冒頭に、記述の典拠が書いてあった。画像がよく見えないがたぶんこんな感じ。

 「據鐘映淵紀元類聚考所引東国通鑑及梁諌菴元略所得日本国新刻大成年代廣記」

 鐘映淵の(著書)「紀元類聚考」が所引の(引用した)「東国通鑑」および、梁諌菴元が略所得(概略を翻訳した?)「日本国新刻大成年代廣記」に依拠した。

 いずれにしても中国の人が著した書物に依拠しているということですね。元史料ではなく、後世の編纂書物の孫引きです。ほとんど信頼するに値しない書物です。

再度追伸
 記述の中に典拠がさらにありました。

 第三五代舒明の項のあとに「以上據類聚考以下據廣記」と。

 つまり継体から舒明の項までは「紀元類聚考」により、孝徳以後は「日本国新刻大成年代廣記」に依拠していると。

川瀬さんへ
コメントありがとうございます。

いろいろ調べていただき,すぐお返事したかったのですが,
昨日の午後からインターネットが不通となり,いまだに通じません。
なので,直るまではやりとりが間があいてしまいますので,
よろしくお願い致します。(自宅からなら頻繁にできるのですが)

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 『歴代紀元編』という年号本 | トップページ | 睡眠中の靴下や湯たんぽはNG »

2020年6月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ