大阪府の寺院の年代と方位
必ずしも完形の遺跡ばかりとはいかないが,
一応大阪府の寺院の「方位」の精査を終えたので,
年代との突合せをしてみることにする。
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【6世紀後葉】
法円坂廃寺・荒陵寺(難波宮下・東20度)?
【7世紀前葉】
新堂廃寺(東),野中寺(西),四天王寺(西4度),海会寺(全体として西),衣縫廃寺(正),坂本寺(飛鳥時代から・正)
【7世紀半ば】
葛井寺(やや西),信太寺(7世紀半ば・正),善正寺(正),鳥坂寺(正)
【7世紀後葉】
河内寺廃寺(正)正法寺(正),高宮廃寺(正),田辺廃寺(7世紀~・正)
【8世紀以降】
土師廃寺(正),河内国分寺(正),土塔(727年から・正),頭塔(正)
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迷うものもあるが,全体として「7世紀半ばからは正方位」というのは,
大和と同じ傾向だと思う。
ただ,大阪は奈良より東偏のものが少なく,東偏と西偏の境目が付けにくい。
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肥沼さんへ
大阪府の古代寺院精査おつかれさまです。
6世紀後葉に分類した「坂本寺」ですが、飛鳥時代とされているので、7世紀前葉に分類した方が良いと思います。
そうすると衣縫廃寺とともに飛鳥時代で正方位となり、大和の飛鳥寺と同じ時期の古い寺院なのかもしれませんね。
大阪は概ね奈良と同じ傾向であることはあきらかです。
あとは官衙遺跡をやってみるともっとはっきりするかもしれません。
投稿: 川瀬 | 2018年11月 5日 (月) 00:17
川瀬さんへ
コメントありがとうございます。
坂本寺は,7世紀前葉に移動しました。
次は,大阪府の官衙遺跡に進みます。
サイトを替えて,多元的「国分寺」研究の方でやりますので,
よろしくお願いいたします。
投稿: 肥さん | 2018年11月 5日 (月) 04:45