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2018年11月15日 (木)

日本書紀の中の375回の「詔」の分布

先日,日本書紀の中の「美濃」の分布を全文検索をやったら,
なかなか面白い結果を得た。
「柳の下にもう一匹」ということで,今回は「詔(みことのり)」でやってみた。
「詔」とは天皇の出した命令のことです。
何か面白い結果は出たかな?

『岩波古典文学大系』に掲載されているページ数
〇=10ページ ・=1ページ ●=「詔」1回

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

神代 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇・・・・ 
神武 ・・・・ ●
綏靖 ・・
安寧 ・
懿徳 ・
孝昭 ・・
孝昭 ・・
孝靈 ・・
孝元 ・・
開化 ・・・・
崇神 〇〇 ●●●●●●●●● 9
垂仁 〇〇・・・・・・・ ●●●●●●●●●●●●●● 14
景行 〇〇〇・・・・・・  ●●●●●●●●●●●● 12 (注 成務にかけての数)
成務 ・・・・ 
仲哀 〇 ●●●
(神功) 〇〇〇・・ ●●
応神 〇〇 ●●●
仁徳 〇〇〇・・・・・・ ●●●●●
履中 〇・・ ●●●(反正にかけての数)
反正 ・・
允恭 〇・・・・・・・・ ●●●(安康にかけての数)
安康 ・・・・・・
雄略 〇〇〇〇・・・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 19
清寧 ・・・・・・ ●●●●●●●●●● 10 (顕宗にかけての数)
顕宗 〇・・・・・・・・
仁賢 〇
武烈 〇 ●●
継体 〇〇〇 ●●●●●●●●●●●● 12
安閑 ・・・・・・・・ ●●●●●●●●● 9 (宣化にかけての数)
宣化 ・・・・・・                                 
欽明 〇〇〇〇〇 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●↘
敏達 〇〇・・ ●●●●●●●●●●●●● 13         ↘●●●●●●●●●●●●●● 44
用明 ・・・・・・ ●●●●●●●●●● 10 (崇峻にかけての数)
崇峻 ・・・・・・・・
推古 〇〇〇〇・・・・ ●●●●●●●●●●● 11
舒明 〇〇 ●●●●●●●●●●● 11
皇極 〇〇〇・・ ●●●●●●
孝徳 〇〇〇〇〇〇・・・・・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●↘
斉明 〇〇・・・・・・ ●●●●●                     ↘●●●●●●●●●●●●●●● 45
天智 〇〇〇 ●●●●●●
天武 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇・・ ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●↘
             ↘●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 63
持統 〇〇〇〇〇・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●↘
             ↘●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 51             
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

① 天武 63回
➁ 持統 51回
③ 孝徳 45回
④ 欽明 44回
次 雄略 19回

記載ページが多ければ,当然「詔」も多くなりそうな気がしますが,
必ずしもそうでない天皇もいるようです。
④欽明天皇は「えーっ,そんなに多いんだ!」と驚きました。
また,次点の雄略天皇は,③欽明天皇の半分以下です。
そして,九州王朝説に従えば,彼らは700年までは大王であり,
「詔」を出せないわけですから,九州王朝の天子が出したものを
当然大和の天皇の名で記しているということになるのだと考えられます。
そして,その人物の名は,ほとんど明らかになっていません。

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古田史学」カテゴリの記事

コメント

肥沼さんへ

 さっそく「詔」の語で、日本書紀全文検索を掛けましたね。

>そして,九州王朝説に従えば,彼らは700年までは大王であり, 「詔」を出せないわけですから,九州王朝の天子が出したものを当然大和の天皇の名で記しているということになるのだと考えられます。そして,その人物の名は,ほとんど明らかになっていません。

 こう単純に言いたいところですが、「詔」にも二つの用法があることに注意したい。つまり、
1:詔曰「・・・・」 と詔を出す主語を省略した用法。
2:天皇詔曰「・・・・」と詔を出す主語を天皇と明記した用法。
 1の多くはは九州王朝の天皇の詔の盗用だとおもわれます。2は確実に近畿天皇家の大王の「詔」です(正式には詔ではないですが)。
 そして1の用例の中には、この詔が出てくる話の流れの中で、この詔を出したのが近畿天皇家の大王だとわかる場合もありますので、一つ一つの用例にあたって盗用かそうでないかを確定する必要があるのです。
 ここが「主語有無の論証」を適用するときに肝心なところです。

川瀬さんへ
コメントありがとうございます。

〉  そして1の用例の中には、この詔が出てくる話の流れの中で、この詔を出したのが近畿天皇家の大王だとわかる場合もありますので、一つ一つの用例にあたって盗用かそうでないかを確定する必要があるのです。
 ここが「主語有無の論証」を適用するときに肝心なところです。

注意しながら適用させていくことが大切という訳ですね。
でも,そういうところまで迫ってこられたというのが素晴らしいです。

追伸:詔 が多い理由。

欽明紀は朝鮮半島との交渉が激しく、任那を巡って新羅百済加羅と入り乱れた戦いの時期。
孝徳紀は、中国との対抗を控えて列島統一に向けて国政改革が進んだ時期。
天武・持統紀は、白村江の敗北と九州王朝の事実上の崩壊を受けての列島の再編成の時期。

 次々と詔を発して体制を作っていかないと持たない時期だった。
 この合計200回近くある詔の中に、「天皇詔曰・・・」と記されて、明らかに近畿天皇家の大王の物がいくつあるでしょうか?きわめて少ないと予想しますが?

川瀬さんへ
コメントありがとうございます。

〉 次々と詔を発して体制を作っていかないと持たない時期だった。
 この合計200回近くある詔の中に、「天皇詔曰・・・」と記されて、明らかに近畿天皇家の大王の物がいくつあるでしょうか?きわめて少ないと予想しますが?

そうですね。
それが解明される時が,「本当の歴史がわかる時」ですね。

肥沼さんへ

 先日ふと思いついて岩波文庫の日本書紀5冊を購入しました。
 漢文と読み下し文が別のページになっているのですね。上を漢文、下を読み下し文にして、間に注を付けてくれる形式だと双方を比較しやすいのにね。
 読みやすくするには、
 一つは漢文の部分をコピーしておいて、読み下し文と見比べて読み、その際に主語の使い方に気を付けて読む(主語有無の論証)。
 そしてもう一つ日本書紀を読みにくくしている原因は、本居宣長の訓読ですね。漢文に日本語として読むための返り点などを付けるだけではなく、漢字の読みも彼が付けた。その際に彼は、独特の天皇観・国家観から、煩雑なぐらい天皇などの行為に敬語を多用しすぎている。
 だから読みやすくする方法の。
 第二は、本居宣長の訓を無視して、漢語として音読みしてみるということ。

 たとえば神武が眷属に東を目指そうと言った際に「彼地必當足以恢弘大業・光宅天下、蓋六合之中心乎。」とその東国を評価した部分があるのですが、「大業」すなわち「大いなる仕事=大仕事=偉大なる功績となる仕事」という意味でしかないのに、宣長は「大業=あまつひつぎ」と訓じているのです。
 彼は初手から神武は初めて全国を統治した天皇と決めつけているので、大業を、日の神の子孫として全国を統治する大業と解釈して「あまつひつぎ」と訓じたわけ。
 でもこれを単に「でかい仕事をする」とか「後世に偉大な功績と呼ばれるほどの大仕事」という意味を込めて単に「たいぎょう」と音読みすれば、九州の片田舎にすぎない日向の一豪族にすぎない彼が、倭国と対立する東の強国を征服すれば、「歴史に残る大業」をなすことができるとと意気込んださまが手に取るように見えるわけです。

 ちなみに先の一文を次のように読むのが良いと思います。
 「かの地は必ず大業を広めのべ、天の下を光宅(こうたく=治める)するに足るべし。けだし六合(天下四方)の中心か。」

 日本書紀を九州王朝説から読み直すには、
一つに、漢文をコピーしておいて、訓読と併せ比べながら読み、主語の使い方に気を付けて読む(主語有無の論証)。
二つに、本居宣長の訓を無視して、なるべく音読みにして、意味は漢字の使用法に従って考える。
 という方法をとることが早道かなと思いました。
 歴史学者も含めて国粋主義者・日本神国思想の持ち主である本居宣長の訓に惑わされていると思います。

川瀬さんへ
コメントありがとうございます。

〉  日本書紀を九州王朝説から読み直すには、
一つに、漢文をコピーしておいて、訓読と併せ比べながら読み、主語の使い方に気を付けて読む(主語有無の論証)。
二つに、本居宣長の訓を無視して、なるべく音読みにして、意味は漢字の使用法に従って考える。
 という方法をとることが早道かなと思いました。
 歴史学者も含めて国粋主義者・日本神国思想の持ち主である本居宣長の訓に惑わされていると思います。

私にとっては,なかなかの「大業」ですねえ。

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