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2018年9月 9日 (日)

沖ノ島の「五弦の琴」は「五弦の琵琶」ではないか?

沖ノ島から出土した琴は,五弦の琴ということになっているが,
その形状についてはよく知らなかった。

ネットで検索したら,長さが27cmで,首の部分が7cmと
おそらく本物は木でできていて金銅製のミニチュアを作ったのだろうと想像する。
(沖ノ島からは金銅製の機織り道具も出土していて,これもミニチュアだからだ)
すると,本物の琴ももっと大きなもので木で作られていた。
実は私の母は琴の師範の免許を持っていて,何台も家の中に置いてあるのだが,
それは皆長方形の長~い形をしていて,沖ノ島の琴とは全く違う。
むしろ琵琶のようにお尻が大きくて首の部分が細い楽器が想像される。
(しかも,琴は10数弦の糸が張られている楽器である)

ということで,もし琵琶のことを「琴」と勘違いしているとしたら,
それは「五弦の琵琶」である。
私は中学社会の先生をしていたので,何回となく教えてきた有名な琴がある。
「東大寺正倉院の宝物」である五弦の琴である。
同じく中学社会の先生をしていて,今は研究を共にしている川瀬さんが,
昨日の平曲の会の際こうつぶやいた。
「琵琶には四弦と五弦とがあるんですが,五弦の方は伝わらなかったんですよね」
これを聞いて,興味深いですね。沖ノ島から五弦の琴と呼ばれる金属製品が出ていますから・・・」
家に戻ってから確かめ,それで今書いている。

五弦の琵琶は九州の伝統で,誰もが使えるものではなかったのではないか。
で,世間には四弦は広まったが,五弦は広まらなかった。
何かの資料にも,倭国の楽器として「五弦の琵琶」ことが出ていたような気がする。(確かめる)

そして,結論。本来大和にないはずの五弦の琵琶が正倉院に収蔵されていること,
このこと自体が九州王朝説を支持しいるのではないか。
聞くところによると,福岡県久留米市の方にも正倉院という地名があって,
大量の宝物が入れられていたと思われるし,
「なら遺文」という本には宝物や技術の移動があったことを古田さんが言っていたと思う。

琵琶を見たことがある人は,正倉院の五弦の琵琶を見た時,
「あれ,なんで全体がフラットなの?」と思うと思う。
そうなのだ,四弦琵琶は普通調弦する部分が直角に曲がっているのが,
正倉院のものは平らになっているのだ。
いや,もう1つフラットなものがあった。
沖ノ島から出土した「琴」もフラットなのだ。
あれは「琴」なのか,それとも「琵琶」なのか,
私は後者ではないかと思っている。


沖ノ島の琴

https://www.sankei.com/region/news/180322/rgn1803220018-n1.html

この話は,もしかしたら古田さんに聞いていた話かもしれない。
ただ,その時は話の趣旨がよくわかっていなかったので,
今こういうことではなかったかと思い出している次第だ。
これも川瀬さんが平曲の会を精力的に続けているからである。
感謝したい。

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古田史学」カテゴリの記事

コメント

肥沼さんへ

 琵琶の話題ありがとうございます。
 そして本日も、連日の会合と研究でお疲れのところ、わざわざ平曲会にご参会いただきありがとうございます。

 ところでリンク先の沖ノ島の「五弦の琴」の写真を見ました。
 肥沼さんは琵琶ではないかとおっしゃいましたが、これは確実に琴です。
 楽器の形状が違うし、糸の巻き方が違います。
 琵琶の首はもっと細く、その首に糸の数だけ糸巻がつき(位置としては横位置)、反対側の胴体の末に糸を通す穴が開いていてそこに糸が抜けないように止めてから、首のその糸巻に糸を巻いて調弦します。
 琴の場合はその糸巻がありません。胴体のどちら側にも糸を入れる場所があって、そこに留める。調弦は間に入れる柱の高さと位置。
 胴体の形も、琵琶は果物の枇杷の形。琴は箱型。
 一度写真で正倉院の五弦琵琶のものと沖ノ島の五弦琴を並べてみてください。
 そして今使われている四弦琵琶の写真も。
 今の琵琶が正倉院の五弦琵琶のように首がまっすぐではなく、曲がっているのは、この方が糸巻に手が届きやすく巻きやすいからだと思います。

川瀬さんへ
コメントありがとうございます。

練り直してから再挑戦しようとしていたら,早くも川瀬さんに見つけられてしまい,
仕方がないので引っ込めずにおきます。
本文で書いた通り母の持ち物の琴が何台もあって,
本のため,ただでさえ私の居住空間を,さらに狭くしております。
というわけで書きだしたのですが,琴の5弦→琵琶の5弦が
うまくつながらず「次回に」と思っていたら,すかさず川瀬さんのコメント。
これほど長文のコメントを消すのは申し訳ないので,残させていただきました。

私も形状を見ていましたから,「琴」に軍配をあげますが,琴の弦の数が
大変少ないことに興味を持ち,発想が5弦の琵琶に向かいました。
私の家の琴は13弦ですので,8弦も少ないのです。どんな音楽をやるのだろう?

4弦の琵琶が普及したのに,5弦は普及しなかった。これは単なる偶然だろうか。
「琵琶」をウィキペディアで見たら,「天平譜」とかいう古い琵琶の楽譜があるそうですね。
5弦の琵琶と共に正倉院に収蔵されているらしいので,
もしかしたら九州王朝のものかなと思ったりしました。
また,天平の調べを再現してみようというCDも作られているらしい。
川瀬さんはお持ちですか?もしお持ちでしたら貸して下さい。

肥沼さんへ

 書きかけでしたか。それは失礼しました。
 5弦の琵琶といえば、薩摩琵琶の中に5弦の琵琶があります。これは4弦だと高音域を演奏する際に、柱と柱の間を押して音を出す際に、女性や子供だと力が足りなくてつらいという状況を改善するために、従来の4弦の上にもう一本足したのだそうな。
 しかし4弦から5弦に変えると、奏法が変わってしまった。

 ウィキペディアにも書いてあったが、弦の数を増やすのは、音域を広げることと、演奏のしやすさを狙ってのこと。だから現代でも、現代音楽を演奏するのに13弦琴では不十分なので20弦琴が作られて演奏されている。
 また現代の中国の琵琶のように、柱の数を増やして高音域を出しやすくするという方法もある。これだと各弦の高音域も出しやすいので、同じ音でも多様な音色の音をだせて、音楽の幅が広がる。
 
 天平の音楽の復元。
 話は聞いたことがありますが、CDがあることは知りませんでした。

川瀬さんへ
コメントありがとうございます。

〉 弦の数を増やすのは

ギターにも,6弦の倍の12弦というのがあります。肉厚の感じです。
ただし,弦の張替えが面倒臭そうです。

〉 天平の音楽の復元。
 話は聞いたことがありますが、CDがあることは知りませんでした。

1600円くらいだったので,購入してみました。
3曲の合計25分でした。
琵琶独奏のものも,ほかの楽器が入っているものもあります。

肥沼さんへ

>1600円くらいだったので,購入してみました。
3曲の合計25分でした。
琵琶独奏のものも,ほかの楽器が入っているものもあります。

 これは一度購入して聞いてみたいですね。
 正確な名称と販売レコード会社などを教えてください。

川瀬さんへ
コメントありがとうございます。

〉  これは一度購入して聞いてみたいですね。
 正確な名称と販売レコード会社などを教えてください。

「甦る古代の響き~天平琵琶譜「番暇(日の部分はイ)崇」」
(循環するシルクロード実行委員会編
ALCDー2001 ALM ・・・読めない)

「夢ブログ」にアマゾンのサイトをリンクしておきました。

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