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2018年7月16日 (月)

「東大寺」もなかった!(2)

東大寺の大仏殿といえば,修学旅行でおなじみの巨大な建物である。
大仏が中に入っているから大仏殿という訳だが,
聖武天皇によって紫香楽宮で「廬舎那仏造立の詔」が出されているので一応スタートがわかるが,
(わかるとはいっても,結局紫香楽宮では実現せず,平城京で実現した)
大仏殿自体の「建立の詔」は聖武天皇も,誰も出していないのではないかと思う。(ご存じの方はご教示を)

大仏の鋳造が始まったのが747年で,開眼会が752年。
さらに渡金が757年だから,聖武天皇の没後。
大仏殿の完成が758年とすると,並行して作業が進められたと思うが,
それにしても10年足らずであの巨大な建物が作れるものだろうか。
(ちなみに我が家のアパート程度でも,着工から完成まで半年も掛かります。クレーン使用で)
九州から移築した可能性とかはないのか。

なにしろ聖武天皇は,24歳で天皇になってから56歳で亡くなるまでの30年あまり,
何回も遷都したり戻したりして,とても大仏殿を始めとした東大寺建立に時間を掛けたとは思えない。
逆に,彼の意思とは関係なく,移築等が行われていたと考える方が自然に思われる。
「東大寺の歴史」というウィキペディアを読むと,大仏造立と大仏殿建立は,もともと別々なプランで,
それが合体したのが今の大仏と大仏殿ではないかというように書かれているようだ。

私たちは「全国に国分寺・国分尼寺を配し,その中心に総国分寺として東大寺を定めた」などと,
わかったようなことを授業しているが,国分寺自体にもその母体(九州王朝の国府寺)があったように,
大仏殿を含む東大寺自体に研究の眼を向けなければならないのではないかと思うのである。

ウィキペディア「東大寺の歴史」

https://ja.wikipedia.org/wiki/東大寺の歴史

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古田史学」カテゴリの記事

コメント

肥沼さんへ
>それにしても10年足らずであの巨大な建物が作れるものだろうか。
 こういう疑問を持たれることは大事です。歴史研究の第一歩です。では次に何をすべきか。現代の肥沼家の造営とは比べ物にならないほどの財力と人力とを動員しての造営です。やはりこれは史料に基づいて通常の造営の日数・年数を調べてみて、この疑問が成り立つかどうかを考えねばいけません。
 同じ大仏殿であれば、平家によって焼かれて鎌倉時代に再建したときの記録で造営年数を確認する、とか、規模を三分の二に縮小しての再建である江戸時代の例を確認する必要があるでしょう。
 また同じ奈良時代やその前後の時代の、宮や寺院の造営記録を、日本書紀や続日本紀で確認することが必要だと思います。
 こうした手続きを経ることが科学的な歴史研究の手法です。

 ちなみに大仏造立の詔以後の所の続日本紀をひも解いてみたら面白い記事がありました。
 天平15年12月26日の項。「平城宮の大極殿と歩廊を解体して移築するのに4年」との記事。そして再び都を移したのでこの宮の造営は中止されたと。
 平城宮の大極殿はかなり大規模な建物です。これと歩廊の解体と移築に4年かかったと。単純に解体と組立が同じ年数とすると、組み立てるには2年ほどでできるということになります。
 設計図に基づいて木材を切って準備する年数を考慮すれば、つくるのに4年ほどでしょうか。
 ちなみにこの恭仁京の大極殿は再び平城京に移築されるのではなく、天平18年の9月には山背国分寺の金堂として施入されています。
 つまり再び平城京を都にしたとき、新たに大極殿を建築したということ。
 平城京に都を戻したのは天平17年(745年)5月。
 続日本紀で次に大極殿の記事があるのは、天平勝宝三年正月16日。751年だ。天皇が大極殿の南殿に出御したとの記事。それまでは正月のこの行事は大安殿で行われていた。
 つまり新造の大極殿は天平17年に建築がはじめられたとするとできるまでに6年かかったということ。

 こうした当時や少し前やのちの建築例を史料に基づいて調べてみましょう。
 考察はそれからです。

川瀬さんへ
コメントありがとうございます。

とりあえず,ウィキペディア「東大寺の歴史」に載っていた年代をもとに試算してみました。

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