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2018年4月13日 (金)

道別の「素」「単」「複」調査

いつも「かゆいところに手が届く」支援をしていただいる山田さんが,
このところの私の調査(国分寺の蓮華文軒丸瓦の「素」「単」「複」)を労って,
道別に並べ替えて下さいました。
本日はこれをやらなくては・・・と思っていたので,寿命が1日延びました。(笑)

あと,川瀬さんと共に「まだ未調査の国分寺」を探していただき,
66国+2島=68国分寺にようやくたどり着きました。
本当にありがとうござました。
(今思ったのですが,佐渡や隠岐も島なのに,島扱いではないのですね!)

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山田さんのサイト(sanmaoの歴暦徒然草

http://sanmao.cocolog-nifty.com/reki/2018/04/post-2b18.html


国分寺の素弁・単弁・複弁
―肥さんの悉皆調査―

 人のふんどしで相撲をとるということになりますが、
肥さんが国分寺の軒丸瓦の「素弁」・「単弁」・「複弁」の
悉皆調査してくださったのでまとめてみました。66ヶ国+2嶋=68です。
多禰国はおまけです。

【五畿】

(1) 大和国分寺・・・「複」?
 2つの「大和国分寺」問題あり。高市郡の八木寺を国分寺とする。
 「法花寺」と呼ばれる尼寺もあり。
(2) 山城国分寺・・・「複」
(3) 摂津国分寺・・・「単」「複」
 2つの「摂津国分寺」問題あり。
(4) 河内国分寺・・・「複」
(5) 和泉国分寺・・・「複」

【東海道】

(6) 伊賀国分寺・・・「複」
(7) 伊勢国分寺・・・「素」「単」
(8) 志摩国分寺・・・?
(9) 尾張国分寺・・・「単」?
(10) 三河国分寺・・・「素」「単」
(11) 遠江国分寺・・・「素」
(12) 伊豆国分寺・・・「単」
(13) 駿河国分寺・・・?
 片山廃寺・・・「単」
(14) 甲斐国分寺・・・「素」「単」「複」
 国分寺以前の寺院に使用されていたものとして,国府寺の存在を推定している。
 寺本廃寺址のものが無顎に対して,国分寺址のものは曲線顎と
 形態上.製作技法上の大きな違いが看取される。
(15) 相模国分寺・・・「単」
(16) 武蔵国分寺・・・「素」「単」「複」
武蔵国分寺ほど多様な瓦文様を使った寺はないといってよいであろう。
瓦の出土量も多く,その文様のさまざまに・・・
(17) 上総国分寺・・・「単」
(18) 下総国分寺・・・「複」
(19) 常陸国分寺・・・「単」「複」
(20) 安房国分寺・・・「素」

【東山道】

(21) 近江国分寺・・・「単」「複」
 内裏野軒丸瓦のⅠ型式・Ⅱ型式・Ⅲ型式などという名称が付けられているが,
 形を見て「単」「複」と肥沼が判断した。
(22) 美濃国分寺・・・「単」「複」
(23) 飛騨国分寺・・・「単」
(24) 信濃国分寺・・・「素」「単」「複」
軒丸瓦の最も多いものは八葉複弁連花文であり,
奈良東大寺や平城宮跡などに同様なものが見出されるという。
ほかに蕨手文のものがあり,これはのちに述べる
軒平瓦の均斉連花文のものと組み合わされたものとみなされる。
ほかに四葉単弁蓮花文・三重圏文・十二葉素弁蓮花文のものがある。
(25) 上野国分寺・・・「単」「複」
軒丸瓦には単弁で四,五,六.七,八,九,一二,一五葉のものがあり,
複弁には四,六.(七),八葉のものがある。
そのほか花弁の形をなさないものや無文のものもあり,
多種多様な様相をみせている。
(26) 下野国分寺・・・「素」「単」「複」
軒丸瓦は二二類にわけられている。
(27) 陸奥国分寺・・・「単」「複」
 本文には「素弁蓮花文軒丸瓦」と書いてあるが,写真を見た限りでは「単」であった。
(28) 出羽国分寺・・・不明

【北陸道】

(29) 若狭国分寺・・・?
(30) 越前国分寺・・・不明
 野々宮廃寺・・・「単」「複」
 深草廃寺・・・「素」「単」
 大虫廃寺・・・「素」のみ?
(31) 加賀国分寺・・・?
 津波倉廃寺・・・「複」?
 保賀廃寺・・・「複」
 宮地廃寺・・・「単」
 弓波廃寺・・・「単」
(32) 越中国分寺・・・「単」
 木彫りの見事な彫刻が伝わる
(33) 越後国分寺・・・現在の国分寺は古代まで遡れない。
 横滝山廃寺・・・「単」
(34) 能登国分寺・・・「複」
(35) 佐渡国分寺・・・「素」「単」

【山陰道】
(36) 丹波国分寺・・・「単」「複」
(37) 丹後国分寺・・・「単」「複」?
(38) 但馬国分寺・・・「単」
(39) 因幡国分寺・・・?
(40) 伯耆国分寺・・・「単」「複」
(41) 出雲国分寺・・・「単」「複」?
 国庁で発掘された木簡に「大原評」とある。
 また「□二石代」という古い面積の表示方式?
(42) 石見国分寺・・・「単」「複」
(43) 隠岐国分寺・・・「複」
 駅鈴が2個あり。

【山陽道】

(44) 播磨国分寺・・・「単」「複」
(45) 備前国分寺・・・「単」
(46) 備中国分寺・・・「単」「単複」(交互に出てくる)
 秦原廃寺・・・「素」
(47) 備後国分寺・・・?
 それらしいものは出ているが,まだ国分寺のものとは確定されていない?
(48) 美作国分寺・・・「素」「単」「複」
(49) 安芸国分寺・・・「複」
(50) 周防国分寺・・・「複」
このほか,国分寺以外にも「山陽道」には
「飛鳥時代の瓦」や「白鳳時代の瓦」が多いらしい。
(51) 長門国分寺・・・「単」「複」

【南海道】

(52) 紀伊国分寺・・・「単」「複」
(53) 阿波国分寺・・・「単」「複」
(54) 讃岐国分寺・・・「素」「単」「複」
(55) 伊予国分寺・・・「単」「複」
(56) 土佐国分寺・・・「素」「単」「複」
(57) 淡路国分寺・・・「素」「単」「複」

【西海道】

(58) 筑前国分寺・・・「単」「複」
(59) 筑後国分寺・・・「単」「複」
(60) 豊前国分寺・・・「単」「複」
(61) 豊後国分寺・・・「単」「複」
(62) 肥前国分寺・・・「単」「複」
(63) 肥後国分寺・・・「単」「複」
(64) 日向国分寺・・・「単」「複」
(65) 薩摩国分寺・・・「単」「複」
(66) 大隅国分寺・・・「複」

(67) 壱岐国分寺・・・?
(68) 対馬国分寺・・・?

【おまけ】

(??) 多ネ執(たね)国分寺・・・?
 (聖武天皇の詔に従って)多ネ執金光明寺は当然すぐ設置されたに違いないが,
 さて宏大な伽藍設立したかどうかとなると甚だもって疑問である。
 そして今日徴すべき遺構のない所から想察すれば,
 其の金光明寺は国府寺の堂宇を受けついだ小規模のものであったに相違ないのである。
 (角田文衛=編者)

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コメント

 島扱いの件。
 たぶん全国66ヵ国と言った時には、佐渡も隠岐も壱岐も対馬も独立した国として含まれていたとおもう。
 これ以後に、加賀から能登が分離したり、備前から美作が分離したり、河内から和泉が分離したりして、66ヵ国を超過し最終的に68ヵ国となった。でも通例として日本全国を呼ぶときに66ヵ国・60余州と言ったので、その際には「島国」の中の「壱岐」「対馬」が外されたのだと思う。
 なぜこの二島を外し、隠岐・佐渡が外されなかったのかを考えるとまた面白いと思いますね。
 佐渡は金鉱山があるので大事だ。じゃあ隠岐には何があるのだろうね。壱岐・対馬は通商上の拠点でしかない。
 海外との通商があまり重視されなくなった時期に、60余州・66ヵ国から壱岐と対馬が外されたのだと思う。遣唐使が廃止された平安中期以降かな?

川瀬さんへ
コメントありがとうございます。

なるほど。その時代のニーズによって,
国になったり,島扱いだったりするということですね。
佐渡と隠岐はその後流刑地になった印象があったので,
国と言うことでちょっと驚きました。
佐渡金山は確かに重要ですね。
でも,古代から金山が発見されていたのですかね?

>でも,古代から金山が発見されていたのですかね?
 良い疑問ですね。
 当然次にはネットで「佐渡金山」を検索する。
 すると1603年開山とでる。じゃあ佐渡の重要さは何だ?となる。
 では次に「佐渡」もしくは「佐渡国」で検索する。
 そうするとこの島・国の歴史がわかり、さらには古い神社の社名や其の祭神もあきらかになる。
 きっとここに古来佐渡が重要視された理由のヒントが出てきますね。

 同じことを、「隠岐」「壱岐」「対馬」でもやってみると、これらの島々・国々の古来の役割、時代の移り変わりで変わった役割が見えてきますよ。

 そう。疑問に感じたらどんどん調べてみよう! 今はネットという良い道具がある。

川瀬さんへ
コメントありがとうございます。

私は板倉聖宣さんの「佐渡金山の生産グラフ」を知っていたので,
江戸時代の前半は伸びて,後半は衰退したというイメージがあったのです。
だから,古代から?と思ったのでしたが,今でも砂金が取れるくらいなら,
古代でも砂金は見つけただろうとも思いました。

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