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2018年1月29日 (月)

イタクラ式発想法の紹介(その6)

その6 読書の論理

本は読んでも,読まれるな。
本は買うべきもので,読むべきものではない。
100冊買っても,役に立つ本は2~3冊。
それを逃さないために買うので,
全部読んでいたら,本代の上に
読む時間まで掛かってしまう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【肥さんの活用例】

(1) 罪(積み)の意識がなくなる積極的な読書法

よく「積ん読」という消極的な言い方をすることがあるが,
板倉さんの場合は,正反対の積極的な読書法と言えるだろう。
だから,地方に行くとすぐ板倉さんは,古本屋巡りをするのだ。
そして,その地方でしか手に入らない本や希少本を買ってくる。
もちろん自分の関心に引っ掛かるという意味でのものだが。
今はインターネットで検索したり,アマゾン等で全国の古本を検索できるが,
板倉さんは自分の体を使って,「検索」していたのかもしれない。
私も「古本屋巡りの謎」がようやく解けてきた訳だ。
今それをパソコンを使って,真似をしているという訳かな?

(2) 10万円研究法

板倉さんの推奨する10万円研究法を紹介しよう。
それは,「何か研究しようと思ったら,そのことを扱っている本を
10万円分買ってみること」という提案である。
私はそれを,給料が20万円台の時に聞いたので,
「そんな殺生な,それじゃあ,食費も衣料費も越えてしまうではないか」
と思ったものだ。(私も若かったのである)
今はその意味が,わかるようになった。
10万円というのは,ある意味のたとえで,
「それだけで済むなら安い。それ以上かかるようならテーマが広すぎる。
テーマを絞るべきである」ということなのだと思う。
では,私には10万円分買っている本があるのかといえば,
1つだけあるのだ。それは,国分寺関連の本たちで,
『国分寺の研究』などの分厚い論文集だけで10冊ほど。
今後の研究のために買ってあり,コピーのリクエストにも応えられる。
一種の「小さい図書館」になっていると訳だ。

P8190897

次回は,「作業しながら考えよ」である。

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仮説実験授業」カテゴリの記事

コメント

肥さんへ

「イタクラ式発想法の紹介」
これは大変ためになる記事です。
すぐに実行できないものもありますが。

私の発想法は「イタズラ式」ですから、
これは紹介してもためになりません。

山田さんへ
コメントありがとうございます。

なるほど「イタズラ式」発想法ですか。
板倉さんは,ご自分のことを「いたずら博士」と言います。
同じ発想でしたね。
いたずらは,好奇心がないと出来ませんね。

10万円研究法。面白いたとえですね。たしかに10万円で研究に十分な史料が手に入るなら最高だ。
 僕の齋藤修一郎研究はすでに10万円どころではない。
 だいいち彼が英訳した「いろは文庫」(江戸末の忠臣蔵外伝)は原本を買ったら17万円した。そしてその英訳本である「ザ・ロイヤルローニンズ(第一版)」は130ドルだったかな。当時のレートだと1万4千円ほど。そして「いろは文庫」原本は変体仮名なので読みにくいから、明治になってから普通の仮名文字に替えて作った活版印刷本を買ったら、これだけで1万円した。これに同じく忠臣蔵の英訳本である「古い日本の物語」と「忠臣蔵」(仮名手本忠臣蔵の忠実な英訳)は、前者は5千円ほど(1871年版は数万円だったので1930年版にした)、そして後者は1875年版が割と安くあったので買ったがそれでも3万円ほどした。これに仮名手本忠臣蔵原文や赤穂事件関係の史料をあつめた本を5冊買ったが、これも3万円ほど。以上忠臣蔵英訳関係だけで24万円ほど。
 そして齋藤と一緒に忠臣蔵を英訳したイギリス人小説家グリーの史料を集めるために、彼が書いた10冊ほどの日本に関わる小説も集めた。これはグリーの日本での体験を元にした本で彼の経歴も推定できるからだ。これらは全部アメリカの古書店でそれぞれ2・3万した。
 これ以外に斎藤の著作である「懐旧談」と「米国商工大勢論」「日米外交論」などは明治30・40年代の希少本だから、あればどれも数万円はする(米国商工体制論しか見つけられない)。そして齋藤の雑誌論文が10編ほどあるので、これは全部所蔵図書館に出向いてコピー。さらに齋藤の開成学校時代の英作文が含まれている可能性があったので、ラトガース大学所蔵のグリフィスコレクション中のスチューデントエッセイ317編をマイクロフィルムからコピーするのに4万ほど。さらに齋藤のことが書かれた関係者の自伝や伝記も数多く集めないといけないのだが全部明治大正時代の本だから、それぞれが高価だがコピーするより安いから古本を買い込む。
 という具合で齋藤修一郎の評伝を書くだけの資料だけで、100万円近くはかかっていると思いますね。
 今後彼の師匠であるグリフィスの40年にわたる日記のマイクロフィルムを全部コピーしないといけないし、齋藤の書いた「日米外交論」の歴史的位置を定めるには、明治40年前後の日本人の日米外交論とアメリカ人が書いた日米外交論も集めて読む必要があり、順次集めているところです。
 そして齋藤の日米外交論の位置づけのためには、明治外交史を論じた様々な研究書も読まなければならず、必要な書籍の数は膨大。
 「徹底検証新しい歴史教科書」のための資料はもっと膨大だ。1巻書くだけで100冊は専門書を読んでいるからね。
  おかげで僕の蔵書は1万冊は優に超えています(全部専門書。安くて一冊2000円ほど。高いものは一冊2・3万)。英学史学会の諸先輩に聞いてみると数万冊はもっていますね。中には研究資料のためだけに8畳はある鉄筋コンクリートの書庫(二階建て)を建てた人もいます。
 大きなテーマを研究するには膨大な費用と時間がかかります。
 1テーマ10万なら安いものです。

川瀬さんへ
コメントありがとうございます。

〉 僕の齋藤修一郎研究はすでに10万円どころではない。

〉 という具合で齋藤修一郎の評伝を書くだけの資料だけで、
100万円近くはかかっていると思いますね。

〉 1テーマ10万なら安いものです。

川瀬さんは,古田さんや板倉さん級の蔵書に囲まれて暮らしているのですね。
かつて板倉さんの家にお邪魔したことがありますが,
まったく「本の中に暮らしている」という印象でした。
本の重量で家がつぶれないように補強したとも聞きました。

「10万円研究法」の話を若い頃聞いて,腰を抜かしていた頃が懐かしいです。

実はわが書斎も、2012年に耐震補強した際に、膨大な数の蔵書を見た大工さんが、床が落ちないように補強しておきますといって、予定にない床の補強工事をしてくださいました。この工事の時に最初は計画になかった、部屋の一つの壁に新たに天井まである作り付けの本棚を作ったもの、大工さんのアドバイスです。一度に今ある本が全部入る本棚に改造した方が安く短期間でできるとの。おかげで窓側の一方を除いて、8畳間の三方の壁は全部天井までの高さのある本棚になり、その本棚に全部二段に本をおいてある。後ろの隠れている本はすでに研究や本の執筆で使用済のもの。前にあるのが今後読んで研究報告をしたり本を書いたりするときのもの。
 2012年の補強工事で床にあった本が全部棚に入ったのに、あれから6年。すでに床の大部分は本が山積みの状態で、さらに他の部屋にも進出している。これを解消するには、二階建ての物置の二階部分を片付けて改造し本棚を作るしかないでしょうね。

川瀬さんへ
コメントありがとうございます。

本当に驚くべき蔵書の多さですね。
ぜひ「平曲会」でお邪魔した際には,
見せていただきたいものです。

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