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2016年1月 3日 (日)

筑後国府「前身官衙」が出土

またまた「洛中洛外日記」の転載です。
私はこの記事の価値を軽く考えていましたが,
よく考えてみると,

「九州王朝の宮殿が発掘されました!」

なんて報告があるはずがないわけで,
(だって,通説は「一元史観」ですから)

「筑後国府「前身官衙」が出土」という報告
=または≒
九州王朝の宮殿跡という形を取ることになる。

そういえば「曲水の宴」跡が見つかったのも,
ここではなかったでしたっけ!
と思ったら.すでに10年前に古賀さんが「九州王朝の筑後遷宮」や
「筑後国府の不思議」という題で,
「洛中洛外日記」に書かれていました。

「九州王朝の筑後遷宮」

http://www.furutasigaku.jp/jfuruta/nikki2/nikki087.html

「筑後国府の不思議」

http://www.furutasigaku.jp/jfuruta/nikki2/nikki088.html


===========
古賀達也の洛中洛外日記
第1119話 2015/12/31

筑後国府「前身官衙」が出土

 今年最後の「洛中洛外日記」となりますが、地元久留米市の研究者、犬塚幹夫さんから教えていただいた筑後国府「前身官衙」の出土について紹介します。
 筑後国府の研究は江戸時代には行われており、17世紀後半頃には真辺仲庵(まなべちゅうあん)は高良山西麓の「府中」(御井町付近)に国府跡があると『北筑雑藁』に記しています。幕末の久留米藩士の矢野一貞は合川町の「フルゴウ」付近としました。付近には字地名「コミカド」(小朝廷)などもあり、久留米藩最後の御用絵師・三谷有信(1842~1928)はその「小朝廷」の復元図『御井郡国府図』を書いています。
 現在までの発掘調査によれば、筑後国府は場所を移動させながら1期から4期までの遺跡が知られています。1期は最も西に位置し、高良山麓へ移動しながら4期が最も東側となります。このことから筑後国府は他の国府には見られないほど長期間にわたり存続したことになります。しかも、最新の発掘調査では1期の遺構にそれよりも古い「前身官衙」が発見されたとのこと。
 現在の考古学編年ではこの「前身官衙」を7世紀中頃から末としていますが、北部九州の7世紀頃の編年は大和朝廷一元史観の影響により50年ほど新しく編年されている可能性が高いので、おそらくこの「前身官衙」は6世紀末から7世紀前半までさかのぼるのではないかと、わたしは考えています。
 今までの九州王朝研究の成果から考えると、九州年号の倭京元年(618)に多利思北孤が太宰府遷都するまで、5~6世紀頃は九州王朝の国王・天子は「玉垂命」を襲名しながら筑後に都をおいたと考えられていますから、その宮殿遺構の候補として筑後国府跡や同「前身官衙」が比定できるのではないかと考えています。これからの考古学調査と分析が必要です。同時に文献史学との整合性をもった研究も重要です。おそらく2016年はこうした研究が一層進展することでしょう。そのためにも犬塚さんら地元研究者への期待が高まります。
 それでは読者の皆様、よいお年をお迎えください。新年も「洛中洛外日記」をさらに充実させていきますので、お力添えをお願い申しあげます。

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コメント

2015年12月に「あをによしの発見」を出版しました。その中で万葉集3234番を解釈して、御井から伊勢が見え御井には朝廷の大宮人がいると歌われていることを記述しました。この御井とは高良大社のある高良山を意味しています。このことから吉野ヶ里遺跡が伊勢神宮であることが分かり、神籠石のある高良山には万葉集の歌の詠まれたいつの時代かに朝廷のあったことが分かりましたが、筑後国府「前身官衙」の出土は万葉集に歌われる大宮人のいる朝廷を示していると考えられます。この朝廷は筑紫朝廷であり、藤原不比等によって改竄された日本書紀をよく読み解けば、何天皇の時代か推定できるかも知れません。また一つの研究課題を見つけることができました。どうもありがとうございます。 作田正道

作田さんへ
コメントありがとうございます。

多元的古代の研究をもとに・『あをによしの発見』を出版とのこと,
素晴らしいですね。さっそくアマゾンで注文させていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。                                                                                                    

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