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2011年9月 7日 (水)

田辺さんの岩手・震災ボランティア報告(1)

兵庫県・神戸市の塾の先生である田辺さんから,
夏休みに行った岩手の震災ボランティア活動の報告が届いた。
3日間にわたって連載したい。

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岩手県に2日間、震災ボランティアに出かけて来た。
今回は前回の反省を生かして、遠野市に拠点を置く
「遠野まごころネット」から岩手県の沿岸部に出かけることにする。

8月10日夕方、まごころネットに到着。さっそく、ボランティア登録。
受付の方の話によると朝7時30分に本部に集合。そこで行きたい場所を決めるという。
いまだにガレキの撤去や泥出しの作業がメインの活動になっていることに驚く。
私は前回の体験から2日ともガレキの撤去の作業に参加するのは、体力的にもたないと判断し、
1日目はその他の活動として張り出されている求人募集の中から、
「三陸 海の盆」の舞台スタッフ募集の紙に自分の名前を書き込む。
ここでは、自分の自主性・主体性が第1であることを教えてもらう。

8月11日、8時集合となっていたので、少し早めに中央玄関前に着くとそこには、
非常にたくさんのボランティアが集まり、代表が本日の注意を話している。
その後、「三陸 海の盆」のスタッフのことを尋ねると集合時間が7時20分になったという。
昨日私が帰った後、体育館(多くのボランティアが寝泊りしている)など館内放送がされたというが、
私はビジネスホテルに宿泊していたので、それが伝わっていなかった。
受付の方が舞台スタッフの責任者Kさんのところへ連れて行ってくださり、
すべり込みでマイクロバスに乗車。
向かうのは大槌町小槌のまごころ広場うすざわ特設会場。
ちょうど、今日で大震災5ヶ月。「三陸 海の盆」は東日本大震災で犠牲になった方を供養し、
この悲劇が風化することなく、被災地と支援地が“想い”を共有するため、
また地域のお盆の風習を尊重した上で、三陸地域が一体となって被災者を供養するため、
さらに各地の郷土芸能の復活と・郷土の復活を願い、開催された。
主催は三陸沿岸各市町と遠野市、ボランティア団体も
まごころネットをはじめいくつかの団体が共催している。
震災後のイベントの中では、かなり大規模なイベントのひとつ。

会場に到着すると出店のための道具・備品・材料を弓道場(避難所になっていた)
から運び出し、テントの設営をする。
出店の担当のメンバーは焼きそば、フランクフルト、焼きとうもろこし、いか焼き、ポップコーン、
綿菓子、金魚すくい、ヨーヨー釣り、的当てなど、それぞれの担当に分かれ、準備にかかる。
私も引き続き、手の足りなさそうなところの手伝いをする。
出店のリーダーは大槌町で鮮魚店を営むTさん。
小柄だが、日焼けして笑顔のさわやかな30~40歳の男性。
出店の品々の購入や食べ物の下ごしらえなど主なことは彼がやったようで、
ボランティアのメンバーにタイミング良くアドバイスをしていく。
こういう頼りになる人が被災地にいるということはひとつの希望の光のように思えた。

10時半には、出店の準備は完了して、販売の開始。
11時には、メインステージのイベントに先立ち、
「三陸 海の盆」実行委員長の臼澤良一さんが開会のあいさつ。
ご自身、津波に流されて助かった臼澤さんはこみ上げてくる涙をおさえつつ、
淡々と震災からこのイベント開催までの経緯を話される。
そのあと、高野山僧侶による法要が行われ、
12時から三陸沿岸各市町の郷土芸能が演じられる。
釜石市からは本郷桜舞太鼓と釜石虎舞、宮城県南三陸町からは水戸部鹿子踊、
宮城県気仙沼市からは崎浜大漁唄い込み、
遠野市からは平倉神楽、山田町からは八木節、宮古市の黒森神楽、
北上市の北上鬼剣舞、地元大槌町からは臼澤鹿子踊と城山虎舞、
陸前高田市からは津波で紛失し、新たに寄贈された虎舞の衣装の披露が行われた。

太鼓の音がお腹にずっしりと響き、横笛のあざやかな音色に魅了され、
鹿や虎のお面をかぶっての勇壮な舞いに心揺すぶられ、
こっけいな神楽に思わずほおがゆるむ。
会場に来た人々にとっても、またそれを演じる人々にとっても
一瞬の解放感と心癒されるひとときだったことがこちらにも伝わってくる。
郷土芸能の演者は高齢の方もいれば、青年や小中高生もいて、幅広い。
この大震災を経て、地元の芸能を伝承することの大切さも再認識されたであろうし、
衣装や楽器を津波で流された人々の思いも込めて演じられて、
とても貴重な時間と空間を共有できた。
最後の出演者が演じている夜7時頃には、夜空に大きなあざやかな花火が何発も打ちあがり、
祭りの気分を高めてくれる。

夜7時30分には、郷土芸能のすべてが終わり、
昼間、来場した方々がメッセージを書かれた精霊を自ら書かれたものは本人が持って、
もう会場におられない方のものはボランティアが持って、
近くの小槌川の河川敷に向かう。
河川敷までのアプローチもキャンドルが灯され、厳かな気持ちになる。
メッセージに書き込まれた言葉は今はいない家族や兄弟・友人・教え子への言葉であったり、
大震災から人々に平穏な日々が訪れるように願うものだったりといろいろだが、
ずっしりと心に響く言葉も多く、いろんな人々の想いを乗せた精霊の灯りが夜の川面を流れていく様は
やはり初めてのお盆を迎え、大震災から5ヶ月目の日の催しにふさわしく、とても厳かなものとなった。

すでに出店などの片付けは終え、道具の返却や積み込みも終わり、
ボランティアのメンバーはTさんと握手を交わして、お別れする。
遠野に帰ったのは、夜の10時を過ぎていた。

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コメント

肥さん、お久しぶりです。昨日はホームページのチラシを入れてくださり、ありがとうございました。
しかしですね、私の「お気に入り」には昔から「肥さんの夢ブログ」ってはいっているのですよ!

たま~に、どうしていらっしゃるかな?と覗いて、相変わらずお元気である事を確認していました。
あれから何年たつのでしょう、小手中の廊下で「今夜しし座流星群が見られるそうですよ」
と立ち話をしましたがそのころから肥さんのページにつながっていました。
「IT革命の年です」と仰ったあの年です。
こうしてコメントを書かせていただくのも本当に久しぶりです。
八咫烏の話、二倍年暦の話など印象に残っております。

私のIT革命はゆっくりと進み、4年前から都内で小さな会社に勤務しておりますが
HPの更新作業をしたり、エクセルを駆使(実際は苦使)して経理事務を担当しております。
また時々のぞかせていただきますね。お元気にご活躍されますよう応援しております!

わださんへ
コメントありがとうございます。

ちょうどお宅の位置が,現在の勤務校への通勤路というか,
この夏の私のダイエットの「ウォーキングコース」になりまして,
またお目にかかる機会が増えるものと喜んでおります。

わださんとは本当にいろいろな話題を
ホームページ時代にさせていただいているのですねえ。
今回思い出させていただき,感謝しております。

前回の勤務校の異動がちょうど「肥さんのホームページ」から
「肥さんの夢ブログ」への移行期と重なったため,
今回の失礼となりました。ごめんなさい。m●m
また,あらためてよろしくお願いいたします!

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