« 「専門は古代史,神話の研究です」 | トップページ | 3年生との合同練習会 »

2010年10月 8日 (金)

『ここに古代王朝ありき』読了!

夏休みに途中でいろいろな本が入り,
また少しずつ読み進めたため
だいぶ時間がかかったが,
上記の本を昨日読了した。

この本は文献から古代史の研究に入った古田武彦氏が,
返す刀で今度は考古学の方面から
古代史にメスを入れたような感のある書だ。

その手法は,これまでと同じで,
「全体の中でそれがどのような位置を占めるか」
という統計的な方法(考古学だと出土物の分布)である。
もしこちらの仕事(考古学)を先にしていたとすると,
「まだ発掘されていない場所はたくさんありますから」
と逃げを打てるかもしれないけれど,
「古代史三部作」などで論証された内容が
頭に入っている人には,
あまりにも文献と考古学の一致することが多く,
両面からの古代史研究の大切さを
あらためて感じる。

ただし,これは考古学が記紀の奴隷になっておらず,
独立した科学的な学問として成立していることが
保障されていればこその話で,
記紀の内容に合わせて発掘しているかのような
これまでの考古学者たちを知ると
「お前ら権力の手先か?」と疑いたくなる部分もある。

本書の構成は,以下のようになっている。

第1部 邪馬一国の考古学

 第1章 卑弥呼に会った魏使
 第2章 倭都の痕跡
 第3章 三世紀の空白

第2部 文字の考古学
 
 第1章 イ方製鏡
 第2章 三角縁神獣鏡
 第3章 室見川の銘板

第3部 説話の考古学

 第1章 大和の空白
 第2章 銅鐸圏の滅亡

第4部 失われた考古学
 
 第1章 古墳の考古学
 第2章 隠された島
 第3章 九州王朝の都城

付録として,今回も
「日本の生きた歴史」が付いている。
考古学に関心のある方,
古代史に関心のある方は
ぜひご一読下さい。

ミネルヴァ書房刊で,2800円+税です。

« 「専門は古代史,神話の研究です」 | トップページ | 3年生との合同練習会 »

古田史学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 「専門は古代史,神話の研究です」 | トップページ | 3年生との合同練習会 »

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ