« 「嵐本」の善意と経済法則 | トップページ | 「2学期制アンケート」の実施 (2) »

2010年10月22日 (金)

もっと強く

テレビを観ていたら,
どこかで聞いたような詩を
コマーシャルで利用していた。

確かめようと思って検索しているうちに,
それが茨木のり子の
「もっと強く」だとわかった。

ある休職中の先生は
この詩を引用して,
復帰したらこの詩を教えたいと
自らのブログに書いていた。

お疲れ気味の今の私には,
「応援団」を得たようでうれしい。
転載させていただく。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「もっと強く」    茨木のり子

もっと強く願っていいのだ
わたしたちは明石の鯛がたべたいと

もっと強く願っていいのだ
わたしたちは幾種類ものジャムが
いつも食卓にあるようにと

もっと強く願っていいのだ
わたしたちは朝日の射すあかるい台所が
ほしいと

すりきれた靴はあっさりとすて
キュッと鳴る新しい靴の感触を
もっとしばしば味わいたいと

秋 旅に出たひとがあれば
ウィンクで送ってやればいいのだ

なぜだろう
萎縮することが生活なのだと
おもいこんでしまった村と町
家々のひさしは上目づかいのまぶた

おーい 小さな時計屋さん
猫背をのばし あなたは叫んでいいのだ
今年もついに土用の鰻と会わなかったと

おーい 小さな釣具屋さん
あなたは叫んでいいのだ
俺はまだ伊勢の海もみていないと

女がほしければ奪うのもいいのだ
男がほしければ奪うのもいいのだ

ああ わたしたちが
もっともっと貪婪にならないかぎり
なにごとも始まりはしないのだ。

(茨木のり子詩集『落ちこぼれ』より)

« 「嵐本」の善意と経済法則 | トップページ | 「2学期制アンケート」の実施 (2) »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 「嵐本」の善意と経済法則 | トップページ | 「2学期制アンケート」の実施 (2) »

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最近のトラックバック

無料ブログはココログ