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2010年8月24日 (火)

『古代史をひらく~独創の13の扉』読了

昨日上記の本を読了した。

1992年の2月から3月に立川で行われた
朝日カルチャーの講座をテープ起こししたものである。
どおりで読みやすいわけだ。

この本は,以下の13の章から構成されている。

Ⅰ 《倭人伝》の扉をひらく
(1) 塞曹えん使・張政の証言
(2) 中国文明の淵源・西王母国はどこだ
(3) 「一大国」は倭人が命名した

Ⅱ 《九州王朝》の扉をひらく
(4) 郭務そうと阿部仲麻呂の証言
(5) 「評」を創ったのはだれか
(6) 九州年号は実在した

Ⅲ 《日本史書》の扉をひらく
(7) 神武天皇はどこからきたか
(8) 「まへらま(まほろば)」はどこか
(9) 柿本人麿の鴨山

Ⅳ 《考古学》の扉をひらく
(10) 卑弥呼の鏡はどれか
(11) 「日出ずる処の天子」はだれか
(12) 九州と朝鮮半島~言葉と出土品

Ⅴ 《新しい古代史》の扉をひらく
(13) 吉野ヶ里の仮想敵国

内容的には『日本古代新史』などとも似ているが,
こちらは「テープ起こし」のため読みやすくなっている。
別に『日本古代新史』が読みにくいというわけではないが。

折々にはさまれる「武彦少言」というコメントも
古田氏の本音が書かれていてなかなかいい。
どれも味わい深いが,その中から1つだけ紹介しよう。
(武彦少言(13)より)

「私は,いつも遠慮しない。たとえば「天孫降臨」」は史実だ。
たとえば「神武東行」は史実だ。
私の言葉を聞いて,心配してくださる人もあるようだ。
「右翼に悪用されはしないか」と。また,逆のケースもある。

しかし,私には,その心配はない。心配しないことに決めている。
私も,三十代,四十代,学校の教師をしていて,いつも気を使ってきた。
ことの良し悪しはともあれ,学外や学内に気を使ってきた。
その点では熟達してきたのである。
たぶん,多くの中年の教師がそうであるように。

しかし,ある日,気がついた。1つしかない一生を,こんなに,
気を使って,また気を使って,そして終えていいのか。
くやしくないのか,惜しくないのか。

そう気がついて,学校をやめた。学問に全力をこめた。
ここでは,いっさい気にしないことに決めた。
真実か否か,それだけを気にすることにした。
もちろん,他の人にすすめるつもりではない。
自分が自分に課した掟だ。
この掟の中に,私は一生を終えるであろう。
そのために,たとえ生命が奪われても,まったく悔いはない」

私は学校をやめることも,学問に一生を捧げる覚悟もないが,
古田氏のような研究者が日本にもいたことを伝え続ける,
それだけはやっていきたいと思っている。

なお,古田武彦氏の『古代史をひらく~独創の13の扉』(原書房)は,
ありがたいことに古本で安く買える。
ぜひ興味のある方は,アマゾンで購入してほしい。
本代100円,送料340円,合計440円で私は入手した。

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コメント

私が『古代史をひらく~独創の13の扉』を手にしたのは30歳を少しすぎたときです。脱サラし、夢に向かって歩み出して間もない頃。
この武彦少言(13)は私も涙して頷きながら読みました。
そのわずか1~2年前、私は商社の営業マンとして働きつつ、同じような疑問をいつも抱いていました。
顧客に気を遣うのは、それがお仕事なのだから当然。そうしなければ会社は成り立たない。
でも、なんで、身内である上司に、余計なまでに気を遣わなければならないのか。
バカバカしくなって辞めました。

そんな時に目にしたのが、古田さんの「武彦少言(13)」でした。
涙なくして読めませんでしたよ。そして心の中で叫びました。
「古田さんは、オレだ!」
と。
決定的な違いは、古田先生の御著書は多くの人々の心を揺さぶり続けるパワーがあること。
私の書く原稿は・・・(涙なくして語れません)

ツォータンさんへ
コメントありがとうございます。

ツォータンさんにとっても,この「武彦少言(13)」は
思い出深いものなのですね。
前に誰かに言われたのですが,
自分がすごい論文を発表することはなかなかできなくとも,
いいなあと思った人の本の宣伝ぐらいはできる。

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