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2009年5月23日 (土)

『生活を哲学する』

長谷川宏著,岩波書店,1300円+税の
上記の本を入手した。
「哲学塾」という双書シリーズ全15冊の
トリを務める1冊である。

長谷川宏氏といえば,
ヘーゲルの翻訳などで有名だが,
私にとっては中学生の時からのお付き合いで,
「赤門塾」(埼玉県所沢市)という
学習塾の先生だった。
それが中学卒業後もOBとして
塾の読書会や夏合宿,演劇祭などに参加し,
貴重な経験をさせてもらうことができた。

本書は,6日間の講義という構成をとっている。

第1日 生活と哲学のあいだ
第2日 子育ての経験
第3日 大衆の原像とは
第4日 晴れと褻(け)
第5日 夏合宿という生活体験
第6日 個人,家族,地域

特に,「第5日」の夏合宿については,
私も参加したことがある長野県後山のことが
登場して懐かしく思った。

「哲学って一体なんでしょうか」と問われて,
長谷川氏が答えている個所が「第1日」にあるので,
それを転載して終わりにしよう。

「むずかしい質問です(笑)。
今日の話でもプラトンだの,アリストテレスだの,
デカルトだの,哲学者の名が出てきましたが,
そういう公認の哲学者をずらっと並べて,
かれらの考えたことが哲学だというのが
答えとしては無難でしょうが,
それではなにも言ったことにならない。

現にあるこの世界に根本的な違和感をもつこと,
あるいは,現にいま生きている自分たちの
生きかたに根本的な疑問を感じること,
そこに哲学の出発点はあると思います。
そこから,この世界の全体としてのなりたちを
探究する試みや,自分たちの生きかたの根拠を
追究する試みが生まれる。
あるいは,現在の世界や生きかたのむこうにある,
もっとすぐれた世界や生きかたを
構想しようとする欲求が生まれる。
それが哲学的思考といわれるものです」

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コメント

Q:「哲学って一体なんでしょうか」
A:フィロ・ソフィア=智を愛する、ことです

ではだめでしょうか。

智を愛していれば、既成概念や、流行の巷説や、従来の学説の矛盾に気付くことができます。

あじすきさんへ
コメントありがとうございます。
「智を愛する」ことが貫ければ,
それは素晴らしいことだと思います。
でも,なかなかそれができないのが
普通の人間なのではないでしょうか?

 人は食べねば生きられない。食べるには農業、漁業が要る。その背景には自然がある。人は自然を消費し、廃棄物を出して生きている。食べ物を調理するには上水も要るし、下水も出す。衛生の為に、歯を磨き、風呂に入って、下水を出す。住まうには住宅や電力が要る。建設するには、林業も土木も要る。やはり背景には自然の消費と、廃棄物がある。人はこの様な仕事をして一役を担う。仕事の為に勉強をする。ここまでなら、罪が無いとは言えないが、生きるには仕方の無いことだ。しかし、人が増え、石油文明の肥大化した今日。自然の消費が増え、進化の母体が危うくなり、罪が無いとは言えなくなった。しかし、健康に生きる範囲なら仕方無い。ただ智を愛した、環境文明の出現が待たれる。

地下水さんへ
コメントありがとうございます。

> ただ智を愛した、環境文明の出現が待たれる。

私もご趣旨に賛成です。
私は「肥さんの夢ブログ」を書くことで,
その「出現」を早めたいと思います。

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