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2008年6月 3日 (火)

川瀬健一さんの新著の紹介

このブログにもたびたび登場していただいている
川瀬健一さんの新著が,
この夏に刊行されるとの情報が入った。
(川瀬さんのサイト「学校を変えよう」より)
長文になるが転載させていただく。

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「徹底検証新しい歴史教科書」
第3巻中・近世編2出版の案内

たいへ時間が掛かりましたが、
近世編2を近々出版します。
内容は、江戸時代中期・将軍の代で言うと、
4代家綱から10代家治の時代。
貨幣経済が全国を覆い、
武家は米価低落で生活が窮迫し、
百姓は商品生産農業への移行で
没落の危険を孕む中、
生活防衛・既得権防衛のために
村共同体の自治を強化し、
武家による年貢増徴を阻止。
商人が経済を把握する中で、
諸階級の利害衝突が激化し、
明治維新による統一国家建設と
市民社会形成が内的に準備された時代の
政治・経済・社会・文化を扱う。

【出版予定】 08年7月末から8月初

【目次】 
     
21:都市の発展と豊かな社会の成立が
 諸産業の発展を促した
     
(1)諸産業の発展の基礎は複合的である
(2)輸入品国産化・輸出代替産業の発展
(3)江戸時代の殖産興業政策の実施

22:都市の発展が平和で豊かな近世社会を築いた

(1)綿密な計画と構想によって建設された城下町
(2)近世になって作られ発展した三都
(3)都市の拡大が生み出した経済効果
(4)三都-異なる性格の三つの首都があった
 江戸時代-
    
23:商工業の発展は不断に封建制度・
 連邦制国家制度と衝突していた

(1)幕府(藩)はなぜ交通網の整備を行ったのか?
(2)商工業の発展と交通網の整備
(3)連邦制国家・封建制度は全国商業・
 交通の発展を妨げた
(4)商人の台頭と封建制度
(5)先進的な商人組織はなぜ生まれたか
    
24:「雅」と「俗」の文化の交流で成り立つ江戸文化
      
(1)階層を超えた「民族文化」としての江戸文化
(2)江戸大衆文化はいかにして生まれたのか
(3)元禄文化の諸相
    
25:貨幣がなくては暮らせない社会の成立が、
 「実践」を重んじる諸学の発展を促した
      
(1)個人の修養から社会的実践を重んじる学への変容
 ー近世儒学の自己発展
(2)「歴史研究」は儒学の「道」の正統性を
 証明する学であった
(3)「理」を極める儒学の伝統が
 さまざまな実学を生み出した      
(4)近世日本の学問の発展を促した
 外国からの人や物の伝来
(5)西洋の学のレベルは他を圧していたのか?
     
【補論】近世日本社会と宗教
      
(1)宗教を軽視した教科書の記述
(2)近世の宗教活動の特徴
(3)都市的な場の広がりと新たな信仰の広まり
   
26:勤勉と倹約の精神が説かれた背景には
 経済の大変動が存在した
  -コラム:石田梅岩と二宮尊徳のうそー
      
(1)「人々の安定した生活を支えた江戸時代像」を
 明確に示した優れたコラム
(2)石田梅岩の主張の背景には米を中心とした
 領主経済と貨幣経済の矛盾が存在した
(3)二宮尊徳の最大の敵は百姓の暮らしを破壊して
 やまない封建領主階級であった
   
27:生類憐みの令は清浄なる国土創出の方策だった
 ー4代から7代将軍の治世での幕政改革ー
      
(1)家綱政権は社会の変化に対応した
 幕政改革の端緒であった
(2)綱吉政権は社会の変化に対応した
 幕政改革を全面展開した
(3)幕政改革はさらに続く-正徳の治-
   
28:市場経済に対応した幕藩制への展開
 ー享保の改革の歴史的性格
      
(1)幕府・藩の財政悪化の背景には
 多様な要因があった     
(2)国家的見地で統治する行政機構の確立
  -享保の改革は統治機構全般に亘る改革だった-
   
29:御益・国益の田沼時代-商工業の発展は
 複合的な利害対立を生み出した-
      
(1)商工業の発展は、村や町の社会構造の変化と
 町や村の自治を拡大した
(2)幕府の利益を追求した田沼政権の登場と退場

 第3巻下・近世編3では、江戸時代後期、
諸外国による通商要求が高まる中、
外圧と内政の矛盾が結合した激動の時代、
寛政の改革・天保の改革・江戸後期の文化と
思想を扱います。
来年09年早々には出版できるよう取り組みます。
なお幕末・明治維新期は、
第4巻上・近代編1で扱います。

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今回の著作の中には,
板倉聖宣さんの「生類憐れみの令」や
「二宮尊徳」についての研究や
古田武彦さんの『真実の東北王朝』などを参考にした
私とも興味が重なる論考がいくつも含まれている。
ぜひ彼らの研究に興味のある方にも
手に取っていただきたい一書である。
(6/3)

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コメント

僕の本の紹介をありがとうございます。昨日「はじめに」と「あとがき」の原稿を入れましたのであとは校正だけ。初稿の訂正が少なければ7月の末、多ければ8月に出版ということになります。
 儒学史で荻生徂徠の著作を読んだりしていたので執筆に時間が掛かりましたが、お陰で近世という時代は、貨幣経済が発展して統一国家形成が不可欠となった時代であり、将軍・大名・武士の存在が阻害物になっていた時代だということがよく分かりました。つまり17世紀末から18世紀初頭にはすでに、明治維新に繋がる新しい国家構想ができ始めていたということです。
 田沼意次の項で秋田孝季の外国視察の件にちょっと触れて、その記述に間違いがないか古田さんに確認の手紙を出した関係で、先日古田さんとお話したわけです。この関係で昨日、北方新社刊の「和田家資料1~4」を注文しました。その中の「丑寅日本記」などにも孝季の外国視察の見聞を示す記事があるとか。読むのが楽しみです。
 孝季の件は、近世編3の冒頭の18世紀末から19世紀初頭の世界情勢の変化について当時の日本人がどう認識していたのか論じた項でも、再論する予定です。

川瀬さんへ
コメントありがとうございました。
先日はなぜ川瀬さんが古田さんと
お話をすることになったのかと思いましたが,
そういうわけでしたか。
「和田家資料」が利用できるなら,
さらに生き生きと歴史を叙述することができて
素晴らしいことだと思います。
「寛政原本」も発見されて,
まさにちょうどいい時期でしたね。

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