« 社会科かるたを紹介していただきました | トップページ | 『姉ちゃんの詩集』 »

2007年2月19日 (月)

私にとっての『真実の東北王朝』(2)

この本は9つの章からできているが,
そのうち3章が「東日流(つがる)外三郡誌」
に関するものから成り立っている。

すなわち,この本は上記の文書の
研究が中心となっているのである。
そして,その「写本はあるが原本がない」
ということが,真偽論争の渦に
巻き込まれる大きな原因となった。

古田氏のスタンスは,
(1) 原本が見つかるまでは写本の研究
(2) 原本が見つかったらそれの研究
と至って王道を行くものだったが,
しつこいまでの偽作キャンペーンもあり,
所持者の和田家の子どもたちに対する
いじめも発生したりしたので,
ハラハラドキドキしたものだった。

昨年の11月にやっと寛政原本の一部が見つかり,
研究は新段階に入った。
今までの写本研究を土台に
さらに新しい研究をする時が来たのだ。

この文書の編著者でもあり,
類まれな思想家・秋田孝季(たかすえ)の言葉に,
「歴史は足にて知るべし」というものがある。
果たして「足にて知る」ことができるのは
古田氏なのか,それとも偽作論者なのか。
その試金石となるのが,まさしく
「東日流(つがる)外三郡誌」なのであった。

なお,発見された寛政原本は
写真本として今年5月に刊行される。
そのことについては2月1日に
ここでも書いた通りである。

明日は,場所を九州に戻して
『よみがえる九州王朝』(角川選書)
について書きます。
(2/19)

« 社会科かるたを紹介していただきました | トップページ | 『姉ちゃんの詩集』 »

古田史学」カテゴリの記事

コメント

真実の東北王朝。この本もとても興味深いものでしたね。僕は、1990年の第1刷で読みました。「東日流外三郡誌」が古田氏の九州王朝説を補強する様々な歴史的資料をも収集したものであると同時に、東北古代史に新たな1ページを開いたことは確かです。そしてこのことは、古田氏が多賀城碑や日本中央碑の論証を通じても再確認しておられる所です。
 でも僕にとってこの本で一番興味を引かれたのは、「東日流三郡誌」の編著者である秋田孝季と協力者の和田長三郎についての記述。彼らが寛政10年・1798年にその9年前にイギリスで出版された、チャールズ・ダーウィンの祖父が進化論を説いた本の内容を、オランダ人から講義を受けて知っていたというくだり。この時期の日本は、貪欲に西洋の知識を吸収していたということが良く分かり、同時に物事を根源にまで遡って再検討するというこの時代の精神が、彼らのような新しいタイプの思想家・歴史家を生んだのだなということが良くわかりました。そしてこのような時代背景の中で田沼意次の政治が行われたのだし、その中で秋田孝季が田沼の命も受けて、ロシアからヨーロッパを視察したということも頷けました。
 この本は、東北の歴史に新たな1ページを開いただけではなく、江戸時代史にも新たな1ページを開いたのではないでしょうか。これもまた学会からは無視されていますが。この点については僕の著書の近世編で論じて見たいと考えています。

川瀬様

またまたコメントありがとうございました。

チャールズ・ダーウィンの祖父に
進化論を説いた本があるなんて
当時の私には想像ができませんでした。
また,田沼意次の命を受けて
外国へ視察旅行に行くなんて,
教科書には全然出てこない歴史で驚きました。

そういえば,1995年に多元の会の遺跡巡りの旅で
青森県の和田さんの石塔山神社に行ったとき,
その持ち帰り品らしいパピルスやブロンズ像が
たくさんあったことを思い出しました。
偽作論者の人たちはきっと
「海外に渡ることはご法度の時代だから,
それはありえないことだ」と言うでしょうが・・・。

あと,「天は人の上に人を造らず,人の下に人を造らず」という有名な一節が福沢諭吉のオリジナルではなく,
「東日流外三郡誌」からのものである等,
今までの自分の歴史理解がひっくり返るような話題が
満載でした。

>  この本は、東北の歴史に新たな1ページを開いただけではなく、
> 江戸時代史にも新たな1ページを開いたのではないでしょうか。
> これもまた学会からは無視されていますが。
> この点については僕の著書の近世編で論じて見たいと考えています。

ぜひお願いいたします。楽しみに待っております。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 社会科かるたを紹介していただきました | トップページ | 『姉ちゃんの詩集』 »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

最近のトラックバック

無料ブログはココログ