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2006年11月17日 (金)

あさのあつこの『バッテリー』

あさのあつこの『バッテリー』という小説は,
かなり若者に読まれている本らしい。
(「6巻で合計380万部」と帯にあった)
また,2007年春には映画にもなるという。

実は先日の学活の資料として
あさのさんが朝日新聞に寄せた
「いじめられている君へ」という文章を
使ったのだが,その中に『バッテリー』
のことが出てくるのである。

あさのさんは読者から,この本に励まされたという
ファンレターをよくもらうそうだ。
「自分はだれかを支えている」とてもほこらしく感じ,
「もし私がいなかったら,その人を元気づけるものが
1つ減っていた」と考える。
そして,「人は生きていれば必ずだれかに
支えられるだけでなく,だれかを支えています。
もし,あなたがいなくなれば,あなたに支えられる
はずだった大勢の人を悲しませることに
なるのですから」と読者を励ましていた。
意外な視点からのもので印象的だった。

ところで生徒たちはあさのさんに向けて
手紙形式で感想を書いたのだが,
その中に「私も(僕も)『バッテリー』を読んだ」
ということを書いている者が4人ほどいた。
また,「今度あさのさんの『バッテリー』を
読んでみたい」と書いている者も
何人かいた。

そこでさっそく,第1巻と第2巻を
文庫本(角川文庫)で買い求めて
読み始めたのだ。
今第1巻の真ん中あたりだが,
久々に読み応えのある本だと思った。
荒削りさが若さともダブって新鮮である。
ぶしつけでストレートな表現は,
自分の個性を持て余している若者たちの
心をつかむのではないかと思った。
ともかく「いい本に出会った」と直感した。

「今の若者は本を読まない」
と言われて久しいが,もしかしたら
「今の若者が読みたくなるような本が少ない」
のかもしれないと,
疑ってみることも必要かと思う。

かつては赤川次郎や宗田理(おさむ)。
最近では『ハリー・ポッター』のシリーズと,
その時代その時代で若者たちに支持される本は
それなりにはあると思うからだ。
しかし,それらはちょっとアウトロー的な
部分も含むので,お上品な表現がお好みの
大人の読者には支持を得にくいかもしれない。
そこには「大人への不信や反感」も
遠慮なく出てくるから。

にもかかわらず『バッテリー』が
多くの人に読まれているのは,
読者に真摯に問いかける
魅力的なものを持った小説だからだと思う。
生徒たちが中間テストを終える日をめざして,
『バッテリー』の読書は続く。
(11/17)

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